あたしの証【完結】
「なんか、あかりちゃん純情過ぎて色々教えたくなる」

「まじなんも知らないから教えてほしいかも」

「じゃ、またどっか行こう?」

「え?あ、…うん」


あたしの返事ににっこにこしながらさくやさんは笑う。
あたしは素直に嬉しかった。



嘘ではなかった。
確かにあたし、嬉しかったんだ。


「お腹空かない?」

「空いた…かも」

「じゃ、ご飯行こうか」

「うん」

「なんか食べたいのある?」

「特には。さくやさんのオススメ教えて」

「わかったーーけど、俺が好きなのってラーメンとか、定食とかがっつりだけどいい?」

「うん、平気」

「じゃ、いこっか」


さくやさんはあたしの手を引いて、ラーメン屋さんまで連れてってくれた。
新宿南口近辺の細い道にあるラーメン屋さん。
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