あたしの証【完結】
「店の奴らに見つかったらまずいから、今日はここで。
本当はもっとうまいとこあるんだけど…」

「いいよ、色々あるんでしょ?」


ゆうやを見てるし、あたしだってそこまでバカじゃない。
なんかあるのはわかってる。

だけど、さくやさんは申し訳なさそうだ。


「…ごめんね」

「何で謝るの?」

「…いや、なんか制限されちゃってるし」

「全然。
むしろ、ゆうやの客のあたしがさくやさんといるほうが問題じゃないの?」

「……うん、問題…だね」

「ま、お客ではないんだけど」

「そうだけど、皆知らないからね。
てか、あかりちゃんのこと見てる俺の客もいるだろうし」

「あーそうか。
それが一番厄介かな?」

「うん、厄介かも。
てか、俺がよくてもあかりちゃんになんかあったらと思うと…」

「えー?あたしは大丈夫だよ」

「ダメ!」

あははっと軽く笑ったあたしに、真剣な顔で言うさくやさん。


「俺、まじであかりちゃんになんかあったら…
俺自身許せないかも」

「そ、こまで?」

「うん。
だから、次回遊ぶ時は新宿やめようね?」

「…うん」

「じゃ、食べよ」
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