あたしの証【完結】
あたしが目を覚ませば、れんはスウェット姿でキッチンに立っていた。


「れん？」


あたしの呼びかけに気付くと、れんは振り向きながら笑顔を見せる。


「起きた？待ってて、今コーヒー入れる」

「あ、あたしやるよ」


布団をはいで、キッチンへ行こうとするあたしをれんが制止した。


「いいよ、あかりはそこにいて」


そう、言われて素直にあたしは元へ戻る。
コーヒーのいい香りがした。



れんはおいしそうな香りのするマグカップを二つ持って、テーブルに置く。
あたしもそこへ腰かけた。



「こっち」


あたしは無言でれんが指し示す方へ座ると、れんの肌が密着する。
太ももから、腕から、れんの体温を感じる。



「飲もう？」

「うん」


れんの体温を身近に感じながらあたしはマグカップへと手を伸ばす。
息を吹きかけながら、あたしは一口すすった。



温かい液体があたしの中を通ってゆく。

砂糖とミルクの配合、しっかり覚えててくれてたんだな。
そんなことでも嬉しくなる。
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