あたしの証【完結】
それからあたしはれんの部屋で暮らし始めた。
荷物は少なかったし、持ち運び終えるのにそんな時間はかからなかった。
何より気がかりはゆうやだった。
ゆうやはりなさんがいたら大丈夫なのは知ってる。
あたしがいなくなったらあたしがいなくなる時の生活に戻るだけ。
そう、簡単に考えてたけど。
いなかった時の生活と、いてからいなくなる時の生活とでは雲泥の差だった。
ゆうやはどう思ってるか知らない。
けど、あたしはゆうやとりなさんがいた生活って。
本当に大きくって。
特にりなさんの料理はあたしには最高の楽しみだったし。
二人の時間を見るのが好きだったし。
入り込めないのわかってたけど、そんなあたしを二人は快く受け入れてくれて。
二人はあたしの大事な家族だったんだ。
ううん、今でも。
それがなくなったあたしはぽっかり穴が開いたみたいだった。
家族がいなくなるってこんな感じなの?