あたしの証【完結】
あたしが部屋を出ることを二人は祝福してくれた。
りなさんなんか、泣きそうになりながら今夜はお祝いね!とか言ってごちそう作ってくれて。
ゆうやは何も言わなかったけど、優しく微笑んでくれた。


でも、部屋を出てあたしがれんの家へ向かってる時。
メールで。




【受信:ゆうや

お前の家だからいつでも帰ってこい】




絵文字もなんもない無愛想なメール。
でも、ゆうやの最大限の愛情がこもったメール。




あたしはタクシーの中でずっと泣き続けた。






「お帰り」


部屋に入るあたしにれんはそう、声をかける。
お帰りだって。


本当にここで暮らすんだって思ったら、嬉しくって。





幸せな時間を過ごせるって。
そう、思ったのに。




何で。
神様ってこんなにも意地悪なの??




それとも。
あたしは幸せになれないの??
< 217 / 329 >

この作品をシェア

pagetop