あたしの証【完結】
「でも、なつとあかりちゃんは仲よさそうだったし。
俺の思い違いなんだって思って安心してた。
だけどさ…」
少し言い辛そうにきょうさんはあたしから視線を逸らす。
それから先はあたしは聞いちゃいけないような気がして。
「もう、いいんです」
あたしは、無理矢理きょうさんの言葉を遮った。
「あかりちゃん」
あたしには今、れんという大事な男の人がいて。
それは揺るぎない事実で。
だから、なつきがあたしと終わった後の話なんて。
聞きたくないんだ。
「すみません、でも。
あたしやっと立ち直ったんです。
なつきから」
「……」
「だから、もう、その話はしないで下さい」
「…ごめんね。
あかりちゃん。これだけ聞いていい?
今もあのタトゥーは入ってる?」
「…知ってたんですか?」
「うん、あの後なつから聞いた。
そんでこっぴどく叱ってやった」
はははって笑うきょうさんは昔とこれっぽっちも変わってない。
それがあたしの感情をコントロール出来なくさせる。