あたしの証【完結】

【TATTO STUDIO】



昔と何も変わらないその扉。
変わってないことにあたしは妙に安心する。

ここを開けたら、なつきときょうさんが仲良く話していて。
あたしにきょうさんを紹介してくれたあの日に戻れるんじゃないかって。
儚い期待を持ってしまっているから。


あたしは震える手でドアノブに手をかけた。



ゆっくりゆっくり扉を開ける。
開けたと同時に鈴の綺麗な音が二回する


ちりんちりん



「いらっしゃい、ちょっと待っててくださーい」


その声にあたしの心臓は高鳴る。
電話越しではなくて、近くに聞こえるその声。




つい立てがあって、奥は見えない。
誰かの施術中だろうか。


「あ、いいよ、俺行くから」

「あ、すみません、きょうさん」



そう聞こえたと同時につい立てからひょこっと顔を出したきょうさんは、あたしを見て固まっていた。
しばらくあたしを凝視してから、またつい立てに引っ込んだ。

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