あたしの証【完結】
「なつ、やっぱりお前行って」

「え?何でですか?」

「いいから」

「…わかりました。ちょっと待っててくださいね」


きょうさんが気を利かせてくれて、その声の主に言う。
不満そうなその声。


その声の主が近付いてくるのがわかる。

あたしはもう、息が出来ないぐらい早鐘のように鳴る胸を押さえてじっと待つ。








つい立てから姿を現した君。














なつき。
なつき…。





二人の時が止まったようにお互いの顔を見つめあった。
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