あたしの証【完結】
「…でもさ、あたし手紙なんか渡してないんだよね」
「…え?」
「あかりって書いてあったんでしょ?
あたし、そこまで書いてるんなら記憶あるはずだし…。
中学の時のなつきにそんなことする理由?がないよ」
「……」
「ねえ、それってさ。
いじめた奴らが仕組んだんじゃないの…?」
「………そ、んなまさか」
「…だって、あたし何も覚えてないんだもん」
「…………は、はははははは。
まさか。
……俺はただからかわれただけ…?
……………そ、うか。
……それで。
そのせいで。
俺は関係ないあかりを傷付けてしまったのか?」
なつきは頭を抱えて、苦しそうにうなだれる。
あたしはその手を優しく握って自分の胸に持っていく。
「…ううん、あたしはそのお陰でなつきと今こうして一緒にいれるんだって思ってるよ」