あたしの証【完結】
何を怖がっているのかは見当つかないけど、あたしはなつおのキスにいつもそう思う。
尋ねたことはないから、あたしはなつおの優しさだと勝手に解釈していた。


真っ赤な顔をしているだろうあたし。




「…あかり、その顔反則」


あたしの憂う瞳を見て、なつおはそう言った。

「あかり。好きだよ」


耳元でなつおが囁く。
あたしもなつおが好きだよ。


「…あかり…いい?」

「………」


きっと。
そのことだろうと、あたしは思った。


静かに頷くあたし。
安堵した顔でなつおはあたしに微笑み返した。


「あかり。優しくするからね」


そう言うとなつおはあたしを抱き上げた。
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