あたしの証【完結】
裏切りのカウントダウン
あたしに証を入れてから数日後。

なつおとメールをしていて、その日に会うことになった。
バイトだっていうからご飯でも作ってあげようかな。


なつおに入れてもらった証は、かさぶたもなくなり綺麗な“タトゥー”になった。

綺麗になるまでむず痒くて何度も掻きたくなったけど、それじゃ文字が汚くなるからとなつおに言われて必死に我慢した。


部屋に一人きりになって寂しい時。
とてつもなく孤独を感じた時。


決まって、あたしはその証を触った。




それであたしは心の底から安心出来た。
いつしか、この証はあたしの精神安定剤になっている。





夕飯の材料をスーパーで買ってきて、あたしはなつおの住んでるマンションへと向かう。
向かう途中でポケットから鍵を出して、思わず顔が緩む。
あの翌日、あたしはなつおから合鍵をもらった。

初めての合鍵。
半同棲みたいでドキドキしてしまう。



そこへ。
思いも寄らない人を見てしまった。



マンションから出てくるその人。




あたしはそれを見て。
心の奥底に沈ませていた黒い気持ちが滲み出てくるのを感じた。
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