あたしの証【完結】
しほさんの後ろ姿。
いつもとは違う香水の匂い。
脱ぎ捨てられた衣服。




消し去ろうと目を閉じるが、頭にははっきりとその光景が映し出される。



なつお本人には聞いてないけど…。

あたしは。
あたしは…。




信用しないといけないんだろうか。


聞きたい。
でも、聞くのは怖い。

はっきりと。
浮気だ。そう言われてしまったら。




まだどくどくと心臓はうるさくしている。
今日、この涙が止まることはないだろう。




一度、涙を拭うとゆっくりとまたベンチに腰かけた。
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