あたしの証【完結】
それを見ると男物の洋服だった。
スウェットのセットアップ。



「今はそれしかない。
風呂でも入ってこい」

「え…?」

「あ、後。
俺のことはゆうやでいい」


きょとんとしていると、

「返事は?」

ゆうやの怒声が聞こえて、あたしは慌てて返事をする。


「は、はい!!」

「よろしい」


ふわりと笑うその顔。
一瞬どきりとしてしまった。


お風呂…いきなり、不用心じゃないかな。

でも…もう、どうにでもなれって感じだった。
ここでめちゃくちゃになったって。


もう、それも本望だった。
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