あたしの証【完結】
あたし。
これからどうなるんだろ。


天井を仰ぎながらぼんやりと考える。




なつき…。
何してるのかな。

また…なつきのこと考えてる。
多分、しばらくは無理なんだろうな。



このまま寝てたら本当にダメになりそう!
なんかすることないかな?
ゆうやに聞きに行こう!っと!

そう、決めるとあたしはドアを開けた。


「あの、ゆうや…?」

「ん?」


ゆうやはソファに座っていて、後ろ姿だけ見える。
こっちを見ずにゆうやは答えた。


「なんか、することある…?」


びっくりした顔で振り向くゆうや。
あたしなんか、おかしなこと言った?


「いや、特には。
ってか、体どうだ?」

「体?」

「体調」

「あ、もう、すっかり元気になった」

「そ。
じゃあ、することないわ」

「え?」

「あ、じゃあ夕方出かけるから準備しといて」


適当に洋服は買うからと、ゆうやは付け加えて。


準備…。
出かけるってどこだろ。


「メイク道具はりなのあるから」


そう言ってゆうやは腰を上げると、りなさんのドレッサーまで案内してくれた。


りなさんのドレッサーのある部屋は二人の衣裳部屋みたいで、それはもう数えきれないぐらいあった。
ゆうやのであろうスーツから、りなさんのであろう洋服。
靴にカバン。
帽子や、サングラス。


あたしは思わず惚けてしまった。
女のあたしですらこんなにお洋服やら持ち合わせていない。


住む世界が違うな、そう感じながらあたしは部屋に入る。
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