あたしの証【完結】
「そっから俺、女嫌いでさ。
モテるのを自覚したのは中学校からかな。
だから高校は男子校に行った。
そこでりなに会ったんだよ」


高校…?


「そっからもう何年だ?
6…7?
付き合ったのはーえっと、だけど6年か。
なげえな」

懐かしむように、ゆうやはふっと笑う。


「なのに、今もりなさんと相思相愛だね」

「あいつだけなんだ。
俺のこと理解してくれて、俺を許してくれて。
俺、あいついねーと無理だわ」


なんて綺麗な瞳で言うんだろうか。

その後、沈黙は続いていたけど気まずくなんかなかった。

あったかかった。

聞けてよかった。
ゆうや。



「ありがとう」

「は?」

「話してくれて」

「…………俺にもわかんねーけど、あんたには言っておきたかった。
あかりもなつきに何されたかしんねーけど。
まだ会ってすぐだけど、俺あんたの味方すっから」



味方。




そのたった一言。




「………っ……ふぇ…」

「は!?」



何泣いてるんだって慌てるゆうや。
でも、あたしの顔は笑っていたから。
泣きながら笑っていたから。

それを見たゆうやは軽く息をついて、真っ直ぐ前を見た。
それからあたしのことを見なかった。



それが、あたしを信じてくれてるんだってことに気付けたあたしは。

昔に比べて…進歩したのかな………???




このうれし涙はしばらく止まりそうにないけど。




今だけいいかな…?
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