Bloom ─ブルーム─
「送るから、後ろに乗ってください」

「ぶぶっ。めっちゃ男前なんすけど!それ、俺のセリフじゃない?」

だって。

1人でいたくないって言ってたじゃん。

1人で帰りたくないって言ってたじゃん。

1人にならない為に、私を利用したって言ってたじゃん。

そしたら、この人を1人にするわけにいかないじゃん。

例え、ナナさんでその心が支配されていたとしても。

私の変なプライドなんて、クソ食らえだ。

「とばしますよ」

「リョーカイ」

彼が触れた肩が熱い。

その熱が顔まで回ってきて、目頭まで熱くなった。

「ところで」

「ん?」

しばらく自転車走らせてから、不意に私は彼に尋ねた。

「先輩の家、どこですか?」







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