Bloom ─ブルーム─
人を好きになるって、もっと簡単でもっと単純なものだと思ってた。
顔を見るだけで胸がキュンとして。
考えるだけで嬉しくなって。
話せたら超ラッキーで。
それで、全身からラブパワー溢れちゃって、なんでも頑張れちゃうみたいな、ハッピーハッピーなものだと思ってた。
人を好きになるって、そういう、もっと単純明快なものだと思ってた。
今までだって、そりゃふられたときは悲しかったけど、それを原動力として頑張れたし、恋の始まりはいつもハッピーの連続だった。
だけど、今の私の心の中には、大きな黒い塊があるだけ。
なんでこんな気持ちになったのかもよくわかんないし、顔を思い出せば、黒い塊が胸を締め付ける。
「痛……」
これが、大人の階段を上るってことなら、大人になんかなりたくないと思ってしまう。
「里花、やっぱり昨日大変だったの?」
教室から窓の外を見ながら何度目かわからないため息をついたとき、友里亜が声をかけてきた。
顔を見るだけで胸がキュンとして。
考えるだけで嬉しくなって。
話せたら超ラッキーで。
それで、全身からラブパワー溢れちゃって、なんでも頑張れちゃうみたいな、ハッピーハッピーなものだと思ってた。
人を好きになるって、そういう、もっと単純明快なものだと思ってた。
今までだって、そりゃふられたときは悲しかったけど、それを原動力として頑張れたし、恋の始まりはいつもハッピーの連続だった。
だけど、今の私の心の中には、大きな黒い塊があるだけ。
なんでこんな気持ちになったのかもよくわかんないし、顔を思い出せば、黒い塊が胸を締め付ける。
「痛……」
これが、大人の階段を上るってことなら、大人になんかなりたくないと思ってしまう。
「里花、やっぱり昨日大変だったの?」
教室から窓の外を見ながら何度目かわからないため息をついたとき、友里亜が声をかけてきた。