Bloom ─ブルーム─
「あ、そうだ、チケット、友達と行くならもう1枚あげるよ?」
「うーん……」
友里亜と一緒に行きたいけど。
「多分友里亜ちゃんは、勇とその日一緒にいて、早めにライヴハウス入ると思うんだよね」
そっかぁ。山本先輩と一緒だよね。
けど、見るときは一緒に見れるよね?
それなら。
「1人で行きます。で、見るときは友里亜と一緒にいるから」
「そっかー……」
大樹先輩は、少し考えてから
「んじゃ、一緒に行く?ちょっと早めに出るけど」
と聞いてきた。
それって……デート?
じゃないか。
「俺と一緒じゃ、やだ?」
「ううん。い、いの?」
「おー。いいよ?」
大樹先輩にしてみたら、きっとたいしたことじゃないんだ。
もう出来上がってカウンターに置かれたラーメンに夢中。
ズルズルッと、美味しそうに麺を啜って「やっぱ、うめー!」なんて言ってる。
私のチケットを持つ手はポッポ熱を帯びてるっていうのに。
それで、気持ちはもう1週間後に飛んでるっていうのに。
何着ていこうって、頭の中ではクローゼットから手持ちの服をひっくり返して大変なことになっているというのに。
「食べないの?のびるよ?」
「あ、うん。食べる」
ドキドキが止まらないというのに。
「うーん……」
友里亜と一緒に行きたいけど。
「多分友里亜ちゃんは、勇とその日一緒にいて、早めにライヴハウス入ると思うんだよね」
そっかぁ。山本先輩と一緒だよね。
けど、見るときは一緒に見れるよね?
それなら。
「1人で行きます。で、見るときは友里亜と一緒にいるから」
「そっかー……」
大樹先輩は、少し考えてから
「んじゃ、一緒に行く?ちょっと早めに出るけど」
と聞いてきた。
それって……デート?
じゃないか。
「俺と一緒じゃ、やだ?」
「ううん。い、いの?」
「おー。いいよ?」
大樹先輩にしてみたら、きっとたいしたことじゃないんだ。
もう出来上がってカウンターに置かれたラーメンに夢中。
ズルズルッと、美味しそうに麺を啜って「やっぱ、うめー!」なんて言ってる。
私のチケットを持つ手はポッポ熱を帯びてるっていうのに。
それで、気持ちはもう1週間後に飛んでるっていうのに。
何着ていこうって、頭の中ではクローゼットから手持ちの服をひっくり返して大変なことになっているというのに。
「食べないの?のびるよ?」
「あ、うん。食べる」
ドキドキが止まらないというのに。