Bloom ─ブルーム─
あのライブの翌日、携帯の充電をした途端に友里亜から着信があった。
ひどく心配してたみたいで、本当に切羽詰まった彼女の声を聞いたら、また泣きそうになった。
風邪を引いたらしく、掠れた鼻声で、それでも私の心配ばかり。
その電話を耳に当てるだけで、何も言わなくても心が温まる気がした。
結局予定していた誕生会は友里亜の風邪が完治した1週間後に開かれることになって。
出かける気分になれなかったその日、ちょっとだけ救われたんだ。
でも。
やっと少しは立ち直って友里亜と出掛けた日。
持ち込みOKのカラオケ店でホールのケーキとコーラを囲んではしゃいだ帰り道。
ライブの日に待ち合わせたあの駅で、私は大樹先輩を見つけてしまったんだ。
それは、神様のいたずらとしか思えない。
もしくは、まだどこかに残ってるかもしれない私の中の僅かな期待すらも消し去る為?
大樹先輩の隣には、はにかみながら寄り添うナナさんの姿があったんだ。
一緒に歩くその光景は、まるで何かの芸術品を見た時のように、鮮明に私の脳裏に焼き付いた。
あまりにもお似合いの2人に、嫉妬すらできなかった。
そして、2人が私の存在に気づく前に、慌ててトイレに駆け込んだんだ。
用もないトイレで2時間、私は身を隠すしかできなかった。
いつまでそこにいるのかわからない2人に怯えながら。
ひどく心配してたみたいで、本当に切羽詰まった彼女の声を聞いたら、また泣きそうになった。
風邪を引いたらしく、掠れた鼻声で、それでも私の心配ばかり。
その電話を耳に当てるだけで、何も言わなくても心が温まる気がした。
結局予定していた誕生会は友里亜の風邪が完治した1週間後に開かれることになって。
出かける気分になれなかったその日、ちょっとだけ救われたんだ。
でも。
やっと少しは立ち直って友里亜と出掛けた日。
持ち込みOKのカラオケ店でホールのケーキとコーラを囲んではしゃいだ帰り道。
ライブの日に待ち合わせたあの駅で、私は大樹先輩を見つけてしまったんだ。
それは、神様のいたずらとしか思えない。
もしくは、まだどこかに残ってるかもしれない私の中の僅かな期待すらも消し去る為?
大樹先輩の隣には、はにかみながら寄り添うナナさんの姿があったんだ。
一緒に歩くその光景は、まるで何かの芸術品を見た時のように、鮮明に私の脳裏に焼き付いた。
あまりにもお似合いの2人に、嫉妬すらできなかった。
そして、2人が私の存在に気づく前に、慌ててトイレに駆け込んだんだ。
用もないトイレで2時間、私は身を隠すしかできなかった。
いつまでそこにいるのかわからない2人に怯えながら。