Bloom ─ブルーム─
ジャージに着替えて外に出て、グラウンドへ向かう途中。
校舎横を走り抜けようとする私の視界に、ふわふわと揺れながら舞い降りる何かが入り込んで来たんだ。
よく見れば紙飛行機で。
でも、雑に折られたそれは、少しも空を翔ることなく、私の足元にパサッと落ちた。
さらによく見ると、その飛行機の隙間から、真夏の1ページが顔を出した。
A4用紙に印刷された、“変なおじさんの寝顔と、半分切れた私と、目を瞑った大樹先輩”。
紙飛行機を拾い上げ、空を見上げると、なぜか2階の私達の教室から身を乗り出してる健さんの姿があって。
「どこの小学生が紛れてんのかと思ったら、お前かよ!」
って笑ってた。
そして
「なんで飛ばねーの?」
って、落ちるだけだった紙飛行機を見て、首をかしげる。
「健さん、なんでそこにいるんですか?」
尋ねると
「んー。さぼり」
って、紙飛行機カモン!ってジェスチャーする。
仕方なく近くにいた直人に手伝ってもらって折り直した飛行機を、2階の窓へ向かって飛ばすと。
「それね、スマホの待ち受けにしてるバカがいるの知ってた?」
って、健さんが聞いた。
そしたら、それまで姿の見えなかった誰かが立ち上がって健さんの口を押さえようとする。
でもその手を振り払って、健さんは
「俺だけどね」
って言って、ぶぁっはははって、大笑いしてたんだ。
校舎横を走り抜けようとする私の視界に、ふわふわと揺れながら舞い降りる何かが入り込んで来たんだ。
よく見れば紙飛行機で。
でも、雑に折られたそれは、少しも空を翔ることなく、私の足元にパサッと落ちた。
さらによく見ると、その飛行機の隙間から、真夏の1ページが顔を出した。
A4用紙に印刷された、“変なおじさんの寝顔と、半分切れた私と、目を瞑った大樹先輩”。
紙飛行機を拾い上げ、空を見上げると、なぜか2階の私達の教室から身を乗り出してる健さんの姿があって。
「どこの小学生が紛れてんのかと思ったら、お前かよ!」
って笑ってた。
そして
「なんで飛ばねーの?」
って、落ちるだけだった紙飛行機を見て、首をかしげる。
「健さん、なんでそこにいるんですか?」
尋ねると
「んー。さぼり」
って、紙飛行機カモン!ってジェスチャーする。
仕方なく近くにいた直人に手伝ってもらって折り直した飛行機を、2階の窓へ向かって飛ばすと。
「それね、スマホの待ち受けにしてるバカがいるの知ってた?」
って、健さんが聞いた。
そしたら、それまで姿の見えなかった誰かが立ち上がって健さんの口を押さえようとする。
でもその手を振り払って、健さんは
「俺だけどね」
って言って、ぶぁっはははって、大笑いしてたんだ。