Bloom ─ブルーム─
電話を切って、はぁ、とため息つく彼。

「彼女さん、ですか?」

恐る恐る聞いてみる。

「まさかっ!あれは鬼だ鬼!こわっ」

ブルッと身震いする。

「俺、チビじゃん?だから、クラスの大半の女子が俺を男扱いしてくんないんだよね。オモチャだと思ってる。絶対」

「オモチャ?ですか?」

「そー。チビは辛いよ……」

と言いながら、ふと私を見下ろした。あれ?という風に。

そして、私の頭の上に手を置くと、そこから真っ直ぐ自分に向けて手を引く。

ちょうど彼の鼻にその手はぶつかって止まった。

私は、チビという彼の鼻までの身長なんですけど、何か?

「あれ?キミもおチビちゃんだ?」

「い、言わないで下さい!気にしてるんだからっ」

この間、合うサイズがなくて、子ども服を買ってしまったというのは、私と友里亜の間だけの秘密なんだから。

「おチビちゃん、おチビちゃん」

自分より小さい子どもを見つけてはしゃぐ少年。

「先輩!もう、そんなにからかってたりしたら、本当に丸刈りにされちゃいますよ!」

「あ!」
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