Bloom ─ブルーム─
話す前に笑いが止まらなくなるものだから、内容は全然入ってこないし、少しも先に進まないんだけど。
でもそんな風に話す友里亜を見るのが、私は結構好きなんだ。
「ふふふっ。それでね、ぷくくッ」
それを見ていたら、平和だなぁって思う。
いろんなことが、まぁいいかって思えそうな気がする。
昨日は悲しい夢で目覚めることはなかったのかな。
昨日より顔色もずっと良くなってる友里亜。
ふふふと微笑む彼女を見ながら窓を開けると、ふんわりぬるい風が入り込んできた。
と同時に、風に乗って「勇!」という呼び声まで教室に入り込んでくる。
突然笑いを止める友里亜。
でも見下ろしたその先には全然知らない、別人の“勇”君がいるだけだった。
「……昨日ね、夜、勇くんにもちゃんと電話したんだ」
友里亜は、見ず知らずの“勇”君を眺めながら、今度は少し寂しそうな表情をする。
「山本先輩に?大丈夫だった?」
「うん。直人が、ちゃんと話さなきゃダメだって。それで、もしまた気持ちが揺らぐならそっち行ってもいいよって」
直人、カッコいい事言えるんじゃん。
「その恋がまた終わるまで待つからって。その後にまた別の人に恋をしたら、またそれが終わるまで待つんだって。
それで、お爺ちゃんになる頃までには、報われるかな?なんて少し不安そうに言うから」
「うん」
「そんなに待つ必要ないよって……答えたの」
そして、躊躇いがちにふわっと笑う友里亜。
でもそんな風に話す友里亜を見るのが、私は結構好きなんだ。
「ふふふっ。それでね、ぷくくッ」
それを見ていたら、平和だなぁって思う。
いろんなことが、まぁいいかって思えそうな気がする。
昨日は悲しい夢で目覚めることはなかったのかな。
昨日より顔色もずっと良くなってる友里亜。
ふふふと微笑む彼女を見ながら窓を開けると、ふんわりぬるい風が入り込んできた。
と同時に、風に乗って「勇!」という呼び声まで教室に入り込んでくる。
突然笑いを止める友里亜。
でも見下ろしたその先には全然知らない、別人の“勇”君がいるだけだった。
「……昨日ね、夜、勇くんにもちゃんと電話したんだ」
友里亜は、見ず知らずの“勇”君を眺めながら、今度は少し寂しそうな表情をする。
「山本先輩に?大丈夫だった?」
「うん。直人が、ちゃんと話さなきゃダメだって。それで、もしまた気持ちが揺らぐならそっち行ってもいいよって」
直人、カッコいい事言えるんじゃん。
「その恋がまた終わるまで待つからって。その後にまた別の人に恋をしたら、またそれが終わるまで待つんだって。
それで、お爺ちゃんになる頃までには、報われるかな?なんて少し不安そうに言うから」
「うん」
「そんなに待つ必要ないよって……答えたの」
そして、躊躇いがちにふわっと笑う友里亜。