Bloom ─ブルーム─
「さむっ」
風の冷たさに肩をすぼめると、大樹は繋いだ手をそのまま自分のポケットにしまいこむ。
彼のポケットには、スマホとボールペンとFRISK。
そして、私。
ゴーッという大きな音が、私達を一瞬だけ包み込んで逃げて行った。
「すげーっっ」
その瞳をキラキラさせて、夢見る少年は、私の隣で今日も裸の心を見せてくれてる。
目の前には、1年前に大樹が見つけた景色が、多分同じように広がっていた。
紅葉と虹と飛行機雲。
色鮮やかな紅葉から空に向かって架けられたパステルカラーの橋が、雲の中へ溶けて。
水色の画用紙に描かれた白いクレヨンみたいな線が、そこへどんどん伸びて行く。
「うん」
でもやっぱり私には、そこに溶け込む大樹がいてこそ、この景色が何倍にも輝いて見えるような気がした。
だから、彼のいるこの風景を目に焼きつけよう。
彼とセットにして、もう一度空を見上げると
「去年より、キレイだよ」
瞳を輝かせた少年は飛行機雲から目をそらすことなく言った。
「そうなの?」
「うん」
頷くと彼は私を見て「里花がいるからかな」って恥ずかしそうに笑った。
同じことを考えていた私達はもしかしたらとってもバカップルなのかもしれない。
だからわざと「サムッ」って笑い飛ばしてみる。
「俺も自分で言ってサムくなったー」
風の冷たさに肩をすぼめると、大樹は繋いだ手をそのまま自分のポケットにしまいこむ。
彼のポケットには、スマホとボールペンとFRISK。
そして、私。
ゴーッという大きな音が、私達を一瞬だけ包み込んで逃げて行った。
「すげーっっ」
その瞳をキラキラさせて、夢見る少年は、私の隣で今日も裸の心を見せてくれてる。
目の前には、1年前に大樹が見つけた景色が、多分同じように広がっていた。
紅葉と虹と飛行機雲。
色鮮やかな紅葉から空に向かって架けられたパステルカラーの橋が、雲の中へ溶けて。
水色の画用紙に描かれた白いクレヨンみたいな線が、そこへどんどん伸びて行く。
「うん」
でもやっぱり私には、そこに溶け込む大樹がいてこそ、この景色が何倍にも輝いて見えるような気がした。
だから、彼のいるこの風景を目に焼きつけよう。
彼とセットにして、もう一度空を見上げると
「去年より、キレイだよ」
瞳を輝かせた少年は飛行機雲から目をそらすことなく言った。
「そうなの?」
「うん」
頷くと彼は私を見て「里花がいるからかな」って恥ずかしそうに笑った。
同じことを考えていた私達はもしかしたらとってもバカップルなのかもしれない。
だからわざと「サムッ」って笑い飛ばしてみる。
「俺も自分で言ってサムくなったー」