Bloom ─ブルーム─
花火は、私達の背中の方で打ち上がった。
ちょうどグラウンド側。
ここにいる事がばれないように、私達は移動せずにそこに座り込んで空を見上げた。
先輩は花火を屋上から見たいと言ってたけど、もしかして私を心配して追いかけてきてくれたのかな。
「お、スッゲー!やっぱここ最高!」
という淡い期待は一瞬で砕け散った。
やっぱ、あんな風に男の胸ぐらつかむ私は女として最低なのかもしれない。
はぁ。
先輩にばれないようにため息をついた時、
「さっき、めちゃくちゃかっこ良かったよ」
花火を見上げながら先輩が言った。
「男にはやらなきゃならない時がある!ってやつ」
「や、やめてください。思い出したくないのにぃ」
改めて言われると顔から火が出そう。
「いや、良かった。俺ももっと前に言われてたら、もしかしたら今が違ってたかも」
「え?」
ふふんと、意味深に笑った先輩は
「名前、何て言うの?」
私を“キミ”から変換してくれるらしい。
花火や話に気を取られて気づかなかったけど、「ん?」と、私の回答を待つ先輩の顔は、かなり近い。
誰も知らない秘密の場所で、2人きりで。
夜空に打ち上がる花火が私達の顔を照らす。
その特別感に
「平澤 里花です」
ドキドキが止まらなくなった。
ちょうどグラウンド側。
ここにいる事がばれないように、私達は移動せずにそこに座り込んで空を見上げた。
先輩は花火を屋上から見たいと言ってたけど、もしかして私を心配して追いかけてきてくれたのかな。
「お、スッゲー!やっぱここ最高!」
という淡い期待は一瞬で砕け散った。
やっぱ、あんな風に男の胸ぐらつかむ私は女として最低なのかもしれない。
はぁ。
先輩にばれないようにため息をついた時、
「さっき、めちゃくちゃかっこ良かったよ」
花火を見上げながら先輩が言った。
「男にはやらなきゃならない時がある!ってやつ」
「や、やめてください。思い出したくないのにぃ」
改めて言われると顔から火が出そう。
「いや、良かった。俺ももっと前に言われてたら、もしかしたら今が違ってたかも」
「え?」
ふふんと、意味深に笑った先輩は
「名前、何て言うの?」
私を“キミ”から変換してくれるらしい。
花火や話に気を取られて気づかなかったけど、「ん?」と、私の回答を待つ先輩の顔は、かなり近い。
誰も知らない秘密の場所で、2人きりで。
夜空に打ち上がる花火が私達の顔を照らす。
その特別感に
「平澤 里花です」
ドキドキが止まらなくなった。