Bloom ─ブルーム─
「派手にやったね~。じゃ、次こそマジでお先~」

「お先」

ギターとドラムがまた抜いて行く。

「俺らの行き先は決まってるし、勝手に連れ去るなんてあいつには間違っても出来ないから、大丈夫だよ」

自転車を立て直し、新たに出来た傷を見て、あーまた勲章が増えたな、なんて笑う長谷川大樹。

チリンチリンッ。

立ち止まる私達の後ろから、超安全運転で、ガッチガチに緊張してる山本先輩がベルを鳴らしてやって来た。

その後ろでは、チョコンと可愛く座った友里亜が

「里花、転んだの?大丈夫?」

って心配してくれてる。

恥ずかしそうにサドルに掴まって。

頬をピンク色に染めて。

「転んダノ?カッコワリー」

「だから、なに人だよ?」

まるでロボットみたい。友里亜を乗せてあんなに緊張してる先輩が、友里亜に何かをするなんて到底思えなかった。

「な?あれなら心配ないだろ?」

「ぷぷぷ」

「よし、じゃ、俺らも行くか」

「はい」

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