Bloom ─ブルーム─
「あら、上手じゃない?大ちゃんにこんな彼女が出来たら私も安心だわ」

縫い終えたポケットに目を向けた由紀ちゃんが言う。

「彼女?なんかじゃないです!全然!」

突然の由紀ちゃんの言葉に、私は驚き必死で否定した。

「そうなの?じゃあこれからそうなるのかな?お似合いよ?」

ニッコリ微笑む由紀ちゃん。

「本当に、全然そんなんじゃ」

否定する私の隣が妙に静かだったので、ふと視線を向けると、私の指先をじっと見つめる彼がいた。

「な、何?」

「ん?あ、いや」

変なの。

「ラーメン伸びる前に食べちゃって」

「あ、はい。いただきます」

ほぼ昼抜きだったし、悩みは多少長谷川大樹のアドバイスで解決したし、目の前のラーメンが輝いて見えた。

どんなラーメンかと思ったら、普通の味噌らしい。

由紀ちゃんが奥へ下がると、麺をズルズル啜る私に

「水仕事、してるの?」

長谷川大樹が聞いてきた。

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