〜題名の無い小説〜



拓也「ゆうや???どうしたん???」

ゆうや「いやー弁当忘れてもうてん笑」


僕は知っていた。。。
前、ゆうやと放課後家に遊びにいったことがあるのだが、

こいつの家はかなり貧乏なのだ。。。

あまり、強調はしないが、家の中ときている服、後、肌のよごれ具合を見れば分かる。


それに、朝、何気なしにお父さんと散歩していた時に見たのだ。

ゆうやのお母さんらしき人と、新聞配達しているところを。



つまり、ゆうやは弁当を忘れたので無い。

作って貰えない。

もしくは

材料を買うお金が無く作れないのだ。

あの誰でも食べている弁当を。。。


僕はすぐに察したのだ。

僕は序章でも書いた通り逆に愛されていた。


僕の好きなものばかりいっぱい弁当に詰まって入っている。

普通の友達が見ても、おいしそうなお弁当・・・と

羨ましがられる程だ。


僕は分けてあげたかった。

家庭の味。。。

母の愛情の味というもの。。。


そして何より、

知ってほしかったのだ。。。


皆で食べる、お弁当がこんなに美味しいということ。

知って欲しかったのだ。。。


すぐさま、僕は言った。

拓也「いいから、食えよっ!」

ゆうや「え?」


拓也「半分分けたるわ! 皆で弁当食おうや!!」


ゆうや「ええんか??」

拓也「当たり前やん!!  友達やねんからそんくらい!!」

ゆうや「ありがとう」



拓也「これ上手いで、食うてみ?」

パクッもぐもぐ・・・


ゆうや「本間や・・・めっちゃ上手いわ・・・」



なぜかゆうやの顔が泣きそうになっていた。


一口食べたらすごい美味しそうにしていたので、

残りのお弁当を全部ゆうやにあげたのだ。


拓也「もう残り全部ゆうやにやるわ!!」

ゆうや「それはいいってーー」

拓也「俺、お菓子1000円分ぐらいもってきてるから、早くそれ食いたいねん!!

   そんなにお菓子持ってきてるのん、先生に内緒やで??」

ゆうや「ははははは!!  わかった!! ありがとう!!! 

    いただきます!!!」


こうしてゆうやは、弁当を三分で平らげたのだ。。。

ゆうや「この肉めっちゃ美味かったわ・・・ありがとうな!!今度なんかおごるわ!!」


拓也「ええよええよ!! おう!!楽しみにしてるわ!!」



その風景を先生がしっかりみていたのだ。

次の日僕たちは代休で休みになった。

その次の日の事・・・





僕は職員室に先生に呼ばれたのだ・・・
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