ペット溺愛中。
亜由美は香水の匂いがきつい。
甘い香を垂れ流しとけば男が寄ってくるとでも思ってるのだろうか。
とんだ大間違いだ。
言ってしまえば俺は香水をいい匂いと思ったことがない。
無臭の方がましだ。
なのに俺に寄ってくる女は、どいつもこいつも香水を塗りたくって汚く笑う馬鹿ばっかだ。
ま、ヤれるならなんでもいーけど。
「何これ」
亜由美が掌サイズの紙袋を差し出した。
「美味しいもの」
料理が趣味の亜由美は、時々こうやって手作りの品を俺に渡す。
「サンキュ」
ポケットにしまう。
こういうところがめんどくさいと、こいつは気付いてない。