ペット溺愛中。


「···やっぱまだ怒ってる?」


上目使いで見てくる。甘えるときのこの仕草に、俺はずっと騙されていたんだ。


「お前の顔なんて二度と見たくないって言っただろ」

高坂に背を向けて、教室を出た。
一瞬高坂が傷ついたような顔をした気がするが、気のせいだ。

あいつは始めから俺のことなんて好きじゃなかったんだから。
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