ペット溺愛中。

「·····女が苦手なんだ」


多分、タマに話しても意味はわからないと思うが、話さないと伝わらないと思った。


「昔付き合ってた女がいたんだ。俺はそいつのことが好きで···」



俺がゆっくり、ページをめくるように話すのを、タマはじっと見ていた。
その瞳を見ていると、なんでも話せる気がした。

高坂桃子には話せなかったことが、話せる気がした。
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