MAGIC HIGH SCHOOL ~第二章 円形闘技場~
期末試験
「あーあ。もう試験とかやだしー」
私は数学のノートを放り出した。
時計を見ると、勉強を始めてから30分くらいしか経っていなかった。
「もう少し頑張ろうよ。試験終わったら、殆ど休みじゃん」
そう言いつつ、ノートから目線を上げない陽梁。
陽梁がやってるのは世界史。びっくりするくらい綺麗にまとめられていて、クラス全員がコピーを欲しがるほどだ。
「頭いい人はいいよね。たいして勉強しなくても、良い点取るんだもん」
「私、頭悪いよ」
陽梁は私を見てきょとんとした顔で言った。
「よく言うよ。じゃあ中間の5教科合計クラストップなのは、誰だっけ?」
「あれはまぐれよ。たまたま得意な所が出ただけ」
「全く不登校だったのに、よくやるよね」
「里依!」
ヤバい。
陽梁が自分を抑えきれなくなったら大変な事になる。
陽梁は不登校だった事をコンプレックスに思っている所がある。
「確かに勉強は覚えるスピードとか、要領の良さとかあるけど、やれば出来るようになってるんだから……ね……もう少しがんばろ」
そう言って陽梁は勉強に戻ってしまった。
あーあ。勉強なんか無くなっちまえ。