MAGIC HIGH SCHOOL ~第二章 円形闘技場~
投獄
頭が痛い。全く誰なのよ! 私を思いっきり殴って気絶させた人!
「陽梁! 良かった。大丈夫?」
里依?
私はどうにか体を起こした。ここは……
「牢屋だよ。私達、捕まっちゃったんだ」
「里依。私をここまで運んで来た人見た?」
里依なら知ってるはず。
「
陽梁……それは……その……」
「誰なの? はっきり言って!」
「……黎夜だった……」
「……嘘……」
私は信じられなかった。
出来れば悪夢だと思いたかった。
でも、これは現実。現実だと受け止めるのは、私にとってかなりの重荷だった。
「目を覚ましたようだね」
振り向くと、そこに紀香がいた。
「紀香! あんた黎夜に何したのよ!」
「うるさいね。だいたい私は紀香じゃない。ロザリーって言うちゃんとした名前があるのさ」
「あんたの名前がロザリーだろうがマリーだろうが知ったこっちゃないわ! 黎夜に何したのよ!」
「全く。せっかく忠告しに来てやったのにね。まぁ質問には答えてやるよ。あいつはもはや私のマリオネットさ」
「なんですって!」
「せいぜい闘う準備をしておくんだね」
そう言ってクイーンは去って行った。