MAGIC HIGH SCHOOL ~第二章 円形闘技場~
うーん。きもちー。
私は夢を見ていた。
……あれっ? 何か場面が変わった。
ここはどこ?
私は見覚えの無い所に立っていた。ただ、辺りを見渡してぞっとした。
皆が戦ってる。そして……少し向こうに紀香がいる。
ありえない! 私は本の中でしか知らない場所にいた。
コロッセオ。円形闘技場だ!
里依!
私の目の前で里依が倒れた。
「陽梁、分かっただろう。お前は強い力を持っている。世界を救った英雄になれるんだよ。そのチャンスをそんな奴らと一緒にいることで潰す気かい?」
私は飛び起きた。枕元の時計を見ると、朝の4時だった。
「まさか……ありえない。私がまた皆を危険に巻き込むの? ただの夢のはずなのに……」
でも、夢にしてはリアルすぎる。
まさか……
「予知夢……」
いくら探知能力を持っていても、これはないだろう。
里依や皆に言っちゃだめだ。皆私が探知系の術を持っている事を知らないんだから……
でも……里依は勘づいているかも。勘だと思ってるみたいだけど……気づかれるのは、時間の問題だ。