最期の奇跡。



「綺麗な髪だなって…」



「そういえば、ツンツン口調は止めたの?」



「…………疲れちゃったからさ。同じ病人だし強がんなくてもいいかなって。」




そういうと、敬はふっと笑って、



「……馬鹿だな。今の方がずっといいのに。」




「馬鹿じゃないし!」




「叫ぶなよ。体に響くだろ、今は寝てろ。」



「敬だって病み上がりのくせに。」




< 88 / 96 >

この作品をシェア

pagetop