弁護士先生と恋する事務員
私の神様
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思えばそれは私の黒歴史、
まさに暗黒時代だった。
幼い頃に私の実の父親と離婚した母は
フリーになってからどうにもはじけちゃったみたいで
まあ、まだ若くてきれいだったから寄ってくる人も多かったんだろう。
わりと高級そうなクラブに勤めながら
まさに、恋愛至上主義!って感じでこの世の春を謳歌していた。
祖母が入院してから新しいお父さんという名のツバメ君みたいな男と同居しなくてはならなくなり。
母は高級クラブに勤めているのだから、どうせならもっとお金持ちの素敵なオジサマなんかとお付き合いすれば良かったのに
彼氏にするのは若くてイケメン風のチャラい男ばかり。
私は子供ながらに、男の趣味が悪いなあ、と思っていた。
そしてその男が本性を現し出したのは、私の体が少しずつ大人び始めた頃からだった。
クラブ勤めの母親が夜、出勤すると私はそいつと二人きり。
まだ中学生だった私の体を、ねっとりとした視線で眺めたり
触れようとしてくるようになった。
だから私は部屋に鍵をかけて閉じこもるようになったんだ。
友達には言えなかった。
だってみんなの悩みと言えば、『親が口うるさい』『ゲーム機取り上げられた』『携帯買ってくれない』そんな感じで。
『義理の父親が変な事をしようとする』
そんな状況は普通じゃないんだってわかっていたから、恥ずかしくて誰にも知られたくなかった。
もちろん、学校の先生にも。
大人に知られたら、きっと児童相談所かなんかに連絡されて
母親に知られたら、きっと私じゃなくて男を取るに違いない。
そして私は施設かなんかに入れられちゃうんだ。
―――私は母親に愛されてるって自信がぜんぜんなかったんだ。