弁護士先生と恋する事務員
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
その日のお昼休み。
私は商店街で夕食のための買い出しをしていた。
炊飯器がないから小さめの土鍋を買う。
これでも3合炊けるというから十分だろう。
次に向かったのが魚屋さん。
今日のメインは魚料理にしようと決めていた。
店先には丸いザルの上に、今朝とれたばかりの新鮮な魚介類がたくさん並べられている。
「はいはい、見てって買ってって。今日のおススメはアジだよ~。アジにカツオにスルメイカ!車エビもおススメだ。」
魚屋のおじさんの独特のだみ声に購買意欲をそそられる。
(今日はアジがおススメか。)
私は顎に手を添えて、店先でしばし考える。
(先生はカレイの煮つけを作ってって言ってたけど、先生と安城先生、若い男の人達だったらアジのフライもボリュームがあっていいかもね。どうしよう…)
「はいはい、そこの美人なお姉さん!アジ美味しいよー。フライにでもしたらビールのつまみにぴったりだ。」
「へ?」
(美人なお姉さんて…私?)
「えへへ…おじさん、アジ3枚ちょうだい!」
「はい、まいど!」
ついつい乗せられて、買っちゃった。
お金を渡して商品を待っていると
「そこの美人なおねえさん?」
耳元で低い声が響いて、思わず「ひゃあ!?」と飛びのいた。
「せ、先生!」
いつの間にか先生が私の横に立っていた。
大きな背中をかがめているから、振り向いた瞬間顔が近くて二度びっくりしてしまった。
「詩織、顔がニヤけてるぞ。」
「……っ!」
からかうように前髪をくしゃくしゃと撫でられる。
もう、こんな時に見られてるなんてタイミング悪いんだから…。
「そ、そうだ。今日はアジがおススメらしいので買っちゃったんですけど…」
「詩織の作ってくれた料理なら何でもいいぞ。」
間髪いれず、先生が答えてくれる。
二カッと笑ったその背後から
真昼の日差しが降りそそいでいる。
そんな先生がまぶしくて
私は思わず目を伏せた。
その日のお昼休み。
私は商店街で夕食のための買い出しをしていた。
炊飯器がないから小さめの土鍋を買う。
これでも3合炊けるというから十分だろう。
次に向かったのが魚屋さん。
今日のメインは魚料理にしようと決めていた。
店先には丸いザルの上に、今朝とれたばかりの新鮮な魚介類がたくさん並べられている。
「はいはい、見てって買ってって。今日のおススメはアジだよ~。アジにカツオにスルメイカ!車エビもおススメだ。」
魚屋のおじさんの独特のだみ声に購買意欲をそそられる。
(今日はアジがおススメか。)
私は顎に手を添えて、店先でしばし考える。
(先生はカレイの煮つけを作ってって言ってたけど、先生と安城先生、若い男の人達だったらアジのフライもボリュームがあっていいかもね。どうしよう…)
「はいはい、そこの美人なお姉さん!アジ美味しいよー。フライにでもしたらビールのつまみにぴったりだ。」
「へ?」
(美人なお姉さんて…私?)
「えへへ…おじさん、アジ3枚ちょうだい!」
「はい、まいど!」
ついつい乗せられて、買っちゃった。
お金を渡して商品を待っていると
「そこの美人なおねえさん?」
耳元で低い声が響いて、思わず「ひゃあ!?」と飛びのいた。
「せ、先生!」
いつの間にか先生が私の横に立っていた。
大きな背中をかがめているから、振り向いた瞬間顔が近くて二度びっくりしてしまった。
「詩織、顔がニヤけてるぞ。」
「……っ!」
からかうように前髪をくしゃくしゃと撫でられる。
もう、こんな時に見られてるなんてタイミング悪いんだから…。
「そ、そうだ。今日はアジがおススメらしいので買っちゃったんですけど…」
「詩織の作ってくれた料理なら何でもいいぞ。」
間髪いれず、先生が答えてくれる。
二カッと笑ったその背後から
真昼の日差しが降りそそいでいる。
そんな先生がまぶしくて
私は思わず目を伏せた。