弁護士先生と恋する事務員
閉ざされた希望
ブーブー…
低いバイブレーションの音が事務所内に響く。
パソコンの打ち込みをしていた先生が、デスクの上に置いてあるスマホを掴みすぐにメールをチェックする。
さっと返信メールを打ちこみ送信完了。
今までになくマメなやりとり。最近はこれが一日数度、繰り返されている。
私と安城先生が水面下でやり合っている間に
剣淵先生にはどうやら新たにメールのやり取りをするお相手ができたみたい。
(そうそう、安城先生なんかに女の子を取られちゃうのは、マメさが足りなかったせいだよ、きっと。)
今度は大丈夫かな。
剣淵先生を好きだという女の子は
一人いなくなってもすぐまた現れる。
(なあんだ、私が心配するまでもなかったか。)
ほっとしたような、してないような(?)
とにかく、剣淵先生はモテるんだなって、あらためて思い知らされた。
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あれから安城先生とは
お互い何事もなかったように接している。
その辺はさすがに大人というか……
まだあの女の子達とお付き合いを続けているのかどうかはわからないけれど
今さら剣淵先生に戻ってこられてもなんだかなーって感じだから、もう放っておく事にしよう。
だけど、安城先生はあの子たちを愛していない。
目的がなんなのかわからないけど虚しくないのかな。
安城先生だって、早くオリジナルの彼女を作って幸せになったらいいのにさ。
(せっかくのイケメンの持ち腐れだよね)