恋愛はナニイロ？
「今日のデートどうしよっか。どっか行きたいとこ、ある？」
「え～と…………………どこでも」
「ふーん、じゃ今日もおまかせでな」
「………ごめんね」






行きたいお店はあるけど…とてもアツ君に似つかわしくないというか、きっと入りづらいし、つまんないし、付き合わせたらもうしわけない。





私、男の子との出会いに無縁で、付き合うのって初めてだから。何をどうすればいいのかわからない。






逆にアツ君は凄いモテるし、沢山の女の子と付き合った事あるみたいだから……いつも余裕のエスコート。






こうして歩きながらも、学校の話や趣味のバイクでどこに行って来たとか最近ハマってるアーティストの話とか、私が退屈しないように話題を振ってくれてる。






「どした？つまんなかった？」





私の浮かない顔に気付いて心配そうに眉をひそめてる。




「つまんなくないよ！凄く楽しいよ」
「そ？なんか元気ないから。疲れたか？」






こういうとこも気配りができてるなあって思う。表情一つに敏感に反応するアツ君。





常にパーフェクトなアツ君見てると不安になる。



常に頭の片隅にくっついて離れない不安……。


なんで私を選んでくれたの？隣りに居ても絵になって、頭もよくてもっと相応しい女の子いるんじゃないの？



これは夢でもうすぐ覚めてしまうんじゃないか。覚めたらもうアツ君は彼氏じゃなくなっちゃうんじゃないか……





アツ君。私どうしたらもっと自信持てるかな――――。








< 3 / 87 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop