時を超えた愛~新選組と私~【完】
永倉さんと平助くんには、後ろを向いててもらってあたしたちは唇を重ねた。
早速、簪を挿してもらい原田さんは江戸へと戻っていった。
「莉世、元気だせって!」
平助くんは、いつだってあたしを励ましてくれるんだ。
「やだなぁ!元気だよ!」
あたしは貼り付けた笑顔で答えた。
「無理すんなって。ほんとは左之さんが、いなくなって寂しいんだろ?」
「…寂しい、よ…」
もうダメだっ。
笑顔でいられないっ。
「今からなら間に合うんじゃねぇの?」
「…え」
「平助、お前っ」
「だって、こんな莉世見てるほうがオレつらいもん」
「ごめんね、ありがとう…」
あたしは二人に頭を下げ、まだ遠くに行ってないであろう原田さんを追いかけることにした。