時を超えた愛~新選組と私~【完】
「ごめん、なさい…」
「とにかく。江戸に急ぐぞっ」
そう言って、あたしを抱き上げようとした。
「いいの…」
「…あ?」
「言った、でしょ?あたしが…死ぬ時は…原田さんの…腕の中で…死なせて、って…」
「お前っ…!!」
「自分の…体のことは…自分が…よく分かってるの…」
そう…。
あたしは、もう長くない。
「待てよ、莉世。勝手に決めつけんなよ!」
「ねぇ、原田さん…?あたしね…ここに来て…最初は…怖かったの…。でもね…みんな優しくて…毎日が…楽しいと…思うようになったの…。原田さんとも…恋仲になれて…幸せだったんだよ…?」
ねぇ、原田さん…あなたは幸せだった…?
「オレも…お前に出会えて、恋仲になれて幸せだっ!!」
…良かった。
あたしだけじゃなくて…。