時を超えた愛~新選組と私~【完】
それから、またあたしの生活が始まった。
だけど変わったこともあった。
もうトイレでランチをすることはなくなった。
新撰組のみんなに出会って強くなったのかな。
相変わらず一人だけど、それでも幸せだった。
鞄の中に入ってる簪が、いつもあたしを支えてくれてるから…。
時は、どんどん過ぎていっても原田さんに出会うことはなかった。
それでも簪があったから平気だった。
あたしは高校を卒業し大学生になった。
その始業式が始まる直前。
横にいた女の子に話しかけられた。
「ねぇねぇ、あなた名前なんて言うの?あたしは松本里美!」
これが里美との出会いだった。
「あ、あたしは夏目莉世…」
「莉世かぁ!いい名前ね!!あたしのことは里美って呼んでね!」
「う、うんっ」
こうして、あたし達は友達になった。
これで大学生活も少しは楽しくなるのかな。
原田さん、あなたは今、幸せですか…?