時を超えた愛~新選組と私~【完】
「でもあたしがもっと早くに、このことに気付いてたら止められてた。山南さんは脱走することもなかった…」
あたしの言葉に皆が黙る。
「じゃぁさ、代わりに君が死んでよ」
沖田さんが冷たい目で、あたしを見た。
「おい、総司!言い過ぎだぞ」
「なに、左之さん。莉世ちゃんに好意があるからって味方になっちゃって。ほんとはみんなだって僕みたいに思ってるんでしょ?」
「総司、もう止めろ」
土方さんに言われても沖田さんの言葉は止まらない。
「莉世ちゃん。山南さんは君が殺したんだよ。君が見殺しにしたんだ。ほんとは、このことを覚えていて、わざと言わなかったんじゃ―――」
“バシッ……!!”
沖田さんの言葉が終わる前に原田さんの手によって殴られた。
「もういいだろうが。莉世だって、わざとじゃねぇんだ。これまでだってオレたちを助けてくれただろうが」
あたしは黙ってることしかできなかった。