時を超えた愛~新選組と私~【完】
「勝手なことだって分かってます!でも、あたしなら好きな人が別れも告げないままいなくなるのは、とてもツライです…」
「…そうだな。よし、分かった。連れてくるよ」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
そう言って永倉さんは明里さんに会いに行ってくれた。
しばらくして
「連れてきたぞ」
永倉さんの隣には明里さんが涙を流して立っていた。
土方さんにも了承を得ていたので彼女を、すぐに山南さんの元へと連れて行った。
「敬助さんっ!敬助さんっ!」
明里さんは泣き叫びながら山南さんの名を呼び続けた。
格子戸の障子が開き山南さんが顔を出した。
「敬助…さん…」
明里さんは泣き崩れた。