時を超えた愛~新選組と私~【完】
あたしは、このまま此処にいてもいいのだろうか。
みんなは、あたしの顔を見るたびに山南さんのことを思い出すんじゃないだろうか。
そう思ったあたしは土方さんに前にもらっていた、お金を握りしめて一人屯所を出た。
どれくらい歩いただろう。
ただただ歩き続けた。
夜も更け安い宿を探し泊まることにした。
一方、屯所では莉世がいないことに気付き全員で探していた。
「…ったく、あいつはどこ行ったんだよ」
「夜の町は危険なのにな…」
「オレ、もう一回屯所内探してくるわ」
「副長。オレは外を探してきます」
「待て斎藤、オレも一緒に行く」
「きっと僕のせいだね…。僕も探しに行くよ」
それぞれが莉世を心配していた。