他人格的適合者(タジンカクテキテキゴウシャ)『短編』
前に教壇があり、教師がいて、

その前に数十人の生徒が、座っている。

普通の学校の教室だったが……。



俺は、それらを見下ろしていた。


見上げると、天井が近い。

近すぎる。

「お嬢様が、貴様ら庶民と、授業がしたと申された!ありがたくおもえやあ〜!」

なぜか、高田総統風に話す純一郎。

教室のど真ん中に、黄金で飾られた玉座が設置され、

俺はその上に、座っていた。

(こんなの…サウザーが座ってるのしか…知らないわ)


玉座は、階段がついており、教壇まで続いていた。

生徒達の机は、その周りを囲んでいる。

明らかに、迷惑そうだ。

玉座の後ろの席なんて、前が見えない。

それに、狭いところに作ったから、角度的に言って、玉座から、黒板は見にくい。

それに、玉座の前に、机とかがない。

「普通がいい!」




すると、どこから持ってきたのか…黄金の机と椅子が、用意された。


また…教室の真ん中を陣取る俺。

その周りを純一郎と…その手下が囲む。

教室内は、異様な緊張状態になっていた。

黒板に、チョークを走らせている教師も緊張しているらしく、

チョークが折れ、床に転がる……前に、

銃弾が、チョークを弾いた。

粉々になった白いチョークが、床に落ちた。

剣じいが撃ったのだろう。

狙撃音もしなかったことが、さらに教室にいる人々を、緊張させた。

へたしたら、撃たれると。





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