他人格的適合者(タジンカクテキテキゴウシャ)『短編』
なんだかんだで……授業は終わり、

目を合わせてくれないけど…クラスメートの白い目を背にして、俺は教室を後にした。

「開八神茉莉お嬢様のお通りだ!」

純一郎達取り巻きが、周りにメンチを切る中で、

俺は帰る。




校門を出ると、何百人の民衆が、俺達を取り囲んだ。

「俺達にも、権利はあるんだ!」

プラカードを持って、叫び続ける民衆を、後ろから蹴散らすように、黒のベンツが走り込んできた。

明らかに、数人ひいている。

「うぎあ!」

悲鳴をあげる民衆を、回転して蹴散らすベンツは、唖然としている俺の前に、止まった。

「お嬢様」

ベンツのドアが開くと、後部座席に、真田がいた。

真田は、俺の腕を掴むと、車の中に、強引に引っ張り込んだ。

「な、なんだ!」

勢い余って、真田の胸にぶつかる。

「単なる地上げ反対運動だ!」

真田はハンドルを回した。

車がスピンして、何人かに当てている。

乱暴な運転に恐怖を感じて、民衆が散り散りになる。

「いいのか!怪我人がでるぞ!」

俺は、目が回りそうになる。

「構わん!こいつが、けがしょうが…死のうがなあ!」

真田の言葉に、俺は絶句した。


「警察や…国など怖くない!いざとなれば…」

真田はにやりと笑い、

「壊せばいい」





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