*The eternal triangle*
「賛成!滝沢はどこ行きたいのー?」
「もちろん、遊園地でしょ!」
「わかるー!」
「じゃあ行こうか。」
「は…?」
耳を疑った。
だからもう一度聞いた。
「誰とどこに行きたいだって?」
「結菜と遊園地に行きたい」
結菜、なんて、女友達にしか呼ばれ慣れてない私は、きっと顔真っ赤だったと思う。
「ばっ、ばかじゃないの!私は彼氏いるんだから!」
「冗談、冗談」
そういってニッと笑った。
「…春休みの時は、本当に二人で行きたかったけど」
ボソッと言った滝沢はすぐに私の元を去って、他の男子と喋り出した。
私は聞こえてないフリをした。
校庭で騒いでる声も
廊下で誰かが誰かを呼んでいる声も
滝沢の声以外が全て雑音に聞こえた。
“二人で行きたかった”
その言葉だけが切なく胸に響いた。