◉◉◉ 俺たちはキチガイじゃねぇ!◉◉◉
堀江は自分の部屋に戻ると暗闇の中で考え事をしていた。

いつ頃から自分は体だけではなく心までロボットになってしまったのか。

父も母も幼い時に他界していて、妹と二人で生きて来た。

親の死に関心がなかった訳でもないし、それで何だという事もない。

堀江は今年、33歳。

激動の33年だったと言えばそうかもしれない。

しかし、体が動かなくなる前から堀江はロボットだった。

堀江は唇を噛み締めていた。血がしたたるほどに。
    
(キャハハハ・・・)


堀江『あぁ。…くそっ。あいつら!』


隣の旅館では盛大に宴会が行われていた。

大広間では、都内から来た団体客が、コンパニオンを呼んで大騒ぎしていた。



『お〜い皆来てみろ!この子すんごいから来てみ!』



宴会場には幹事であろう、中年の紳士が若いコンパニオンの娘を指差し、皆を集めた。



『ほらさっきのもう一回やってくれる!!』


女の子は20歳前後、お団子頭に少し地味な眼鏡をかけ、コンパニオンにしては、地味な雰囲気をかもしだしていたがセクシーさはそこにいる誰よりもずば抜けていた。


『はい。』
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