◉◉◉ 俺たちはキチガイじゃねぇ!◉◉◉
旅館の外には、18歳の若者から、60後半のベテラン介護士まで

約40人は詰めかけていた。

それもそのはず。

この求人は、給料その他の待遇、福利厚生が良かったのである。

しかし、一向に面接が始まらず2時間が過ぎようとしていた。

そして徐々に人は減ってゆき、最終的には10人前後になっていた。

毎度の事であり、これは堀江の一次面接なのだ。



奈緒美『それでは、今までにも兄と同じような方を観ていたんですね。』


40代おばさん『はい。赤ちゃんや子供が専門なんです!ちゃ〜んと面倒みますからね〜!』

おばさんは寝ている堀江を見つめ赤ちゃん言葉口調で言った。



堀江『・・・』




奈緒美『兄を観てどう思われます?』


30代青年『本当可愛いです!僕、堀江さんの本も買ったんですよ!キュンキュンしちゃう!』



堀江『・・・水。』




20代女性『私、彼氏と別れて・・・不幸の始まりで・・・同じ苦しみを持った堀江さんならきっと・・・まだ愛してるんです・・・だから堀江さんに・・・etc・・・』



堀江『・・・水。』




堀江『君、夢はある?』


10代少年『はい、将来は、税理士になりたいと思い、商業簿記を勉強…それから…』



堀江『・・・。温泉はいってくる。』


奈緒美『はーい。じゃああとは見とくね〜』
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