◉◉◉ 俺たちはキチガイじゃねぇ!◉◉◉
座敷わらしは地方で呼び名が違う。

山梨県には、お倉坊主という座敷わらしの一種がいるそうである。

民俗学で言うと、座敷わらしは口減らしのために殺された子供の霊ではないかという意見もある。

座敷を這いまわったり石臼を搗くような音を出したり、

気味が悪い行為をするので座敷わらしの中でも下等なものとされている。

間引かれた時の恨みや苦しみを、座敷を這いまわったり音を出して訴えていたのかもしれない。

香織は人形の体を借りた幽霊であるが、姉は座敷童といって旅館の目玉にしていた。


香織『お姉ちゃん!今日の仕事は赤富士の間でいいんだよね!』


ヨシコ『そうね!あの先生ねぇ相当、幽霊馬鹿にしてたからいいわよおもっきり脅かしちゃって!』


香織『了解!』


ヨシコ『よし!じゃあ私も寝ますか!』


ヨシコと香織の家系はもともと神社の神主と巫女の系譜で、家族みんなでそこに住んでいた。

しかし香織がまだこの世にいた時、地震により神社は崩壊した。

そして家族で助かったのはヨシコだけであった。その事故の跡、

崩落した場所で温泉が湧き出た。

他の家族は見つかったが、香織の遺体は、地元住民全員で捜索したが見つからなかった。

それから、姉妹はここで旅館を経営する事になった。



香織『お主かわしを馬鹿にしておるたわけは?』


先生『え?誰?』



先生の体は硬直し天井を見つめていた。

足のつま先に何かを感じた、

そう思った次の瞬間、足の方から何かが這ってあがってくるのが分かった。

布団をめくりあげ、顔が近づいてくる。

目を閉じる事も出来ずに先生は震えていた。


『毎年、何があっても、此処に泊まるのじゃ。2回以上な。でなければ毎晩でも来るぞい。』

『はい〜〜〜〜!!!』





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